2022年1月11日、体操選手の内村航平さんが現役引退することを公表しました。
内村航平さんと言えば近年の日本を代表する体操選手で、オリンピックでもメダルを超産してきたのでスポーツに疎い方でも名前を知っている方は多いはず。
近年は怪我の影響などもあり東京オリンピックを含め、金メダルからは遠のいていました。そして喜ばしいことに日本体操界の若手の成長も著しく、内村選手の引退も近いのでは?という話題もちらほら聞こえてきてはいました。
この時がいよいよ来た、という感じではあります。
さてこの記事では、惜しまれつつも引退を決意した内村航平さんについて、その引退理由やこれまでの輝かしい結果、そして気になる今後についてまとめてみたので、皆さんも一緒にチェックしていきましょう。
【内村航平】引退の理由は?
2022年1月11日、内村航平選手は正式に現役引退を公表しました。
日本体操界で最多の世界大会メダルを獲得するという、日本だけではなく世界から注目されていた輝かしい体操競技人生に幕を下ろしたのです。
2021年10月に開催された世界選手権直後のコメントでは、
体操について「相変わらず僕にとっては最高以外ない。やっぱり自分が自分であることを唯一、証明できるもの」とした上で、今後について「08年からずっと日本代表でやってきて休んでないので、まともに。この後、僕の場合は試合がないので、とりあえずゆっくり休んで色んなことを考えたいなと思います。(進退も含めて?)それしかないですよね。みんな気になっていると思うんですけど、引退するかしないか。実際これは僕が別に今決めることではないというか、僕の場合やっぱりそんなに簡単じゃない。続けるにしても辞めるにしてもそうとう考えて決めないといけない。ただ、辞めるという選択肢はあんまり…」と話した。
「ずっと続けてきたし、辞めるというのもする必要ないかなと。分からないです。今日、ここで結果じゃないものを知れた気がするので。スポーツは結果がすべてと言いましたけど、今日は結果がすべてじゃなかったなと思った。そこの追求はしてみたいなと思う」と、胸中を明かした。
と話していた内村選手。
記者からも引退についての話題が出されることが出てきてはいるようですが、この時のコメントではまだ引退を決意しているようには感じないですね。
2021年の東京五輪では種目総合ではなく鉄棒に絞っての出場を決めた内村選手でしたが、結果は残念ながら予選敗退でした。
2012年のロンドン五輪で個人総合金メダルを獲得してからというもの、日本体操界の期待の星としてその期待に見事に応え続けてきた内村選手ですが、そろそろ体力的な面でも引退が囁かれてはいました。
結果が出せなくなったら引退がちらつくのは、スポーツ選手の運命だとは思いますが、すでに十分すぎる結果を出している内村選手ですから、輝かしい引退になることは間違いないですよね。
それでも彼は、体操という競技そのものを愛しているからこそ体操を続けるのだと話していました。
内村選手に限らず、長年スポーツ選手の第一線で活躍してこられた方が引退を決意することは、わたしたちには想像もできないほど大きな決断なのでしょう。
でも周囲から引退の話もありますし、「引退」を本人自身が一番考えていないわけないですよね。
実際、このコメントから三か月しないうちに、引退を決意された内村選手。
多くを考えた上での決断であることに間違いはありません。
「結果が出せていないこと」「怪我による不調が続いたこと」「年齢的な問題」など、今の時期での引退は順当なものには感じられるが、実際の理由はまだはっきりとは明かされていません。
引退するということ自体はマネジメント会社をと通して1月11日に公表されましたが、1月14日には都内で本人による記者会見を行うとこのこと。
引退を決意するに至った経緯はおそらくこの会見で明らかになるものを思われます。
どのような内容を語ってくれるのかとても楽しみですね。
体操を愛する内村選手が引退に至るまでに何を思い、考えたのか、注目していきましょう。
また一流のスポーツ選手は、スポーツをしない私たちの人生にも通ずる信念や指標を強くお持ちの事が多いので、そういった人生観などについても触れてくれると嬉しいです。
【内村航平】これまでのメダル獲得数は?
体操選手の現役引退を公表した内村航平選手ですが、その輝かしい結果を改めて確認してみたいと思います。
国内大会
- 2005年 インターハイ 個人14位
- 2005年 全日本ジュニア 個人3位
- 2005年 全日本選手権 出場
- 2006年 高校選抜 個人優勝
- 2006年 インターハイ 個人2位
- 2006年 全日本ジュニア 一部選手権 個人総合優勝
- 2006年 全日本選手権 個人8位
- 2007年 全日本学生 個人優勝
オリンピック
2008 北京団体総合 銀
2008 北京個人総合 銀
2012 ロンドン個人総合 金
2012 ロンドンゆか 銀
2012 ロンドン団体総合 銀
2016 リオデジャネイロ個人総合 金
2016 リオデジャネイロ団体総合 金
世界選手権
2009 ロンドン個人総合 金
2010 ロッテルダム個人総合 金
2010 ロッテルダム団体総合 銀
2010 ロッテルダムゆか 銀
2010 ロッテルダム平行棒 銅
2011 東京個人総合 金
2011 東京ゆか 金
2011 東京団体総合 銀
2011 東京鉄棒 銅
2013 アントワープ個人総合 金
2013 アントワープ平行棒 金
2013 アントワープゆか 銅
2013 アントワープ鉄棒 銅
2014 南寧個人総合 金
2014 南寧団体総合 銀
2014 南寧鉄棒 銀
2015 グラスゴー団体総合 金
2015 グラスゴー個人総合 金
2015 グラスゴー鉄棒 金
2018 ドーハ鉄棒 銀
ずらっと一覧にして、内村選手の大会結果を並べてみました。
圧巻ですよね。
高校のインターハイから頭角を顕し、オリンピックや世界選手権ではメダルラッシュが続いています。
オリンピックでは金メダル3個を含む7つのメダルを獲得。
世界選手権では金メダル10個を含む19個のメダルを獲得しています。
世界体操競技選手権だけでみると、個人総合での世界最多の6連覇を達成しています。
まさに体操界の伝説の存在ですね!
【内村航平】気になる今後は?
さて、この度体操選手としての人生に幕を下ろす決断をした内村航平選手ですが、今後はどういった人生を歩まれるのか、とても気になるところですよね。
ここでは、これまで五輪でメダルを獲得してきた内村選手よりも先輩方が、現役引退後にどのような道に進んでいったか調べてみたので、その傾向から今後の内村選手の可能性を推測していきたいと思います。
まず一人目に、冨田洋之選手です。
(各選手の結果等は省略させていただきますが、過去の五輪で団体・個人で活躍されてメダル獲得経験のある素晴らしい選手の方々です。わたしは恐れながら直接競技を拝見したことが世代になりますので…。)
現役引退後は母校である順天堂大学にてスポーツ健康科学部スポーツ科学科助教に就任しています。また日本オリンピック委員会専任コーチにも就任います。
二人目に、鹿島丈博選手です。
鹿島選手も大学に所属しています。大東文化大学専任講師ですね。また、日本体操協会のロンドン五輪強化本部委員にも就任されています。
最後に、池谷幸雄選手です。
池谷選手は直接の指導者の道を選ばれていますね。自ら体操教室(池谷幸雄体操倶楽部)を設立、東京都小平市に体操専用の体育館を建て関東に4校(小平市、立川市、渋谷区、横浜市)、関西に1校(近江八幡市)を開校しています。
これらの先輩方の例を見ると、
①大学の教授や講師などに就任
②体操協会関連の委員として活躍
③自ら指導者になる
といった選択肢がありそうですね。
もちろん他にも選択肢はあるのでしょうが、内村選手はどれもこなしてしまいそうな気がします。
内村選手の母校は日本体育大学体育学部ですので、日体大関連での役職への就任も十分に考えられます。
しかし一番有力なのは③の指導者としても道ではないでしょうか。
各大会後のコメントなどからも、体操という競技を深く愛し、選手としてでなくても体操をまだまだ続けていくと思うのです。引退を長年考えていたわけではないので、すぐに指導者のポジションに座るかはわかりませんが、引く手数多であることは間違いないでしょう。
是非これからも体操競技から離れずにいてほしいとは勝手に願っておりますが、内村選手の心境はまだ明かされていません。
今後の事についても1月14日の会見で話されると思うので、その点も期待して注目していきたいですね。